サポレジ転換の赤↓で空売りしたら、損切りと利確は何%が最適か。日本株全銘柄・過去10年・約29万回の結果を、10万円あたりの平均損益で解説します。
チャートの「サポレジ転換」インジケーターに出る赤い↓矢印は、「ここから上値が重くなる」ように見えるため、空売りの合図に使えないかと考える方は多いと思います。この記事では、赤↓が出たあとに空売りした場合、損切りと利確を何%に置くのが一番いいかを、日本株全銘柄の過去10年・約29万回の結果で調べました。
この記事の数字は、**「10万円分を空売りして、同じ取引を何度も繰り返したとき、1回あたり平均でいくら増減するか」**です。勝率ではなく、平均で見ます。
たとえば、4回に1回しか勝てなくても、勝つときは大きく、負けるときは小さければ、平均はプラスになります。逆に、10回中7回勝てても、負ける1回が大きければ平均はマイナスです。そのため、損切りと利確の幅は、勝率ではなく平均損益で比べます。
利確を4%に固定して、損切りの幅だけ変えました。
損切りを広げるほど、損が一直線に増えました。赤↓のあとに株価が反転して上がったとき、損切りが遠いと、含み損をそのまま大きく抱えてしまうからです。利確の幅を変えても、この傾向は変わりませんでした。
今度は損切りを1%に固定して、利確の幅だけ変えました。
利確を1%まで小さくすると、取れる利益が減って少し悪くなります。逆に大きくしすぎると、利確に届く前に反転して損切りになる回数が増えるため、やはり悪くなります。一番損が小さいのは3%付近でした。
損切りと利確を組み合わせた結果の一部です(10万円あたり1回の平均損益)。
| 損切り\利確 | 3% | 6% | 10% |
|---|---|---|---|
| 1% | -150円 | -180円 | -220円 |
| 2% | -320円 | -420円 | -490円 |
| 5% | -630円 | -880円 | -1,020円 |
| 10% | -960円 | -1,340円 | -1,520円 |
左上(損切りが浅く、利確が小さい)ほど、損が小さくなっています。
出口を決めずに、赤↓のあとに空売りして一定の日数がたってから買い戻した場合の平均損益です。
| 持った日数 | 1日 | 5日 | 10日 | 20日 | 60日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 赤↓で空売り | 0円 | -300円 | -550円 | -1,040円 | -2,620円 |
| ランダム空売り | +10円 | -150円 | -400円 | -840円 | -2,250円 |
持てば持つほど損が増えました。過去10年の日本株は全体として上昇していたため、空売りは長く持つほど不利でした。損切りは浅く、利確は早く、という結論とも合っています。
損切り2%・利確4%の出口で、売るタイミングによる違いを比べました。
| 売るタイミング | 1回あたりの平均損益(10万円あたり) |
|---|---|
| サポート割れの赤↓ | -350円 |
| 新しい抵抗線ができた赤↓(確定日に売り) | -290円 |
| 赤↓と関係なく適当な日に売る | -260円 |
赤↓で売っても、適当な日に売っても、ほぼ同じでした。赤↓には「売れば平均で儲かる」という力はありませんでした。
年別に見ても、平均がプラスだったのは10年のうち2018年だけです(それでも10万円あたり+140円)。この年は相場全体が下げた年で、適当な日に売っても平均はプラスでした。
赤↓が3回出て、そのたびに大きく下がっているチャートを見ると、「赤↓で売れば全勝だ」と感じるかもしれません。ここには落とし穴があります。
赤↓のうち、新しい抵抗線ができたときの矢印は、高値をつけた足に表示されますが、実際に画面に出るのは10営業日後です。つまり矢印を見て売れるのは、すでに10日ぶん下がったあとです。
イオン(8267)の3回の赤↓を、「矢印が画面に出た日の翌日に売った」として数えてみます(利確8%・損切り5%)。
| 矢印の足 | 売れる日までにすでに下がった幅 | 結果 |
|---|---|---|
| 7月7日 | 7.1% | 損切り(一度戻されて-5%) |
| 7月29日 | 3.0% | 利確(+8%) |
| 9月4日 | 6.8% | 決着前(約6%の含み益) |
「矢印のついた足」で売れたなら全勝ですが、実際に売れる日では勝ち1・負け1・決着前1でした。矢印がついた足で売った想定の検証は、結果がよく見えすぎます。この記事の検証は、すべて「矢印が確定した日の翌日」に売る想定です。
勝てる赤↓は見つかりませんでしたが、同じ赤↓でも、損が小さいものと大きいものの差はありました。10万円分を空売りしたときの、1回あたりの平均損益です(損切り2%・利確4%)。
値動きの小さい株は、利確ラインまで下がる前に戻されやすく、損が大きくなるとみられます。ただし、適当な日に空売りした場合も同じ並びになるので、これは赤↓の効果ではなく、株の性質の違いです。マシな側でも、平均はマイナスのままです。
赤↓には2種類あり、どちらも同じ赤い↓で表示されます。
チャートの設定で「サポレジ転換」を有効にすると、赤い抵抗線と青いサポート線、矢印が表示されます。赤↓は空売りの合図というより、「この水準が上値の壁になっている」「サポートが割れた」と確認する材料にとどめ、損切りや利確のラインを決める目安に使うのが現実的です。
本記事は情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断は自己責任で行ってください。
チャートの基本的な見方はチャートの読み方もあわせてご覧ください。